金沢美術工芸大学
第62回 美術工芸学部卒業制作展
きもの文化の可能性 -いままでの着物 これからの着るもの-
- 鷹合友衣
- 美術工芸学部デザイン科 ファッションデザイン専攻
今の日本において着物の立ち位置とはどういったものなのだろうか。調査の結果、冠婚葬祭や一部の趣味人が着用するのみという現状にたどり着き、価格や知識などさまざまな問題に直面した。それらを解決することで自国の伝統衣装を日常的に楽しむ人が増えるのではないかと考え、着物をより身近に捉えられるアイテムを研究するに至った。
普段洋服を着用して生活する人々の選択肢の中に、高額なイメージが強い着物をどう取り入れるか考察した結果、取り入れやすいリサイクル着物の着こなしに幅を持たせることに可能性を見出した。従来の着物の構造や着付けの形態を崩さずに着用することが可能で、和服でも洋服でもコーディネートができる自由度の高いアイテムを考案。デザインソースやディティールには本来の着物や小物を踏まえることで、単純な和洋ミックスとは違う新たな和装を作り出した。自身で運営する着物レンタル屋での経験も生かし、今までの文化もこれからの可能性も感じられる作品となっている。