金沢美術工芸大学
第62回 美術工芸学部卒業制作展
観光都市で活用するレンタルモビリティの新たな可能性の研究
- 保井康佑
- 美術工芸学部デザイン科 製品デザイン専攻
石川県金沢市にて、観光促進と交通利便性向上のために現在使用されるレンタサイクル「まちのり」を再考する。
金沢は狭い道が多く、人・車・自転車の距離が近い。故に個体の大きさが周囲にとって迷惑かどうかを左右する中、現在レンタサイクルとして採用されている車体のサイズでは安全且つ思い通りに動くことが困難なシーンがある。また、自転車走行中はナビゲーションや周囲との安全を常に気にしている為、街を見渡しながら発見する偶発的な魅力を楽しむという体験を逃すことが多い。周囲との共存、周囲を見渡せる速度域という2つの点に着目し「小さくて遅い」ことを設計軸に置き、従来のまちのりにプラスした運用の元、低速移動特化型モビリティの制作を目的とした。
①人が一人で占有する地面面積と同等の面積に収まるサイズ
②歩行速度と自転車速度の間にある3~10km/hをカバーする低速機能
③低速で安定して走行でき、且つとっさの乗り降りが容易である構造
を設計条件とし、同時に本制作の専用駐輪場やGUIなどモビリティの周辺も提案した。