金沢美術工芸大学
第62回 美術工芸学部卒業制作展
小学校の「音楽づくり」のための弦楽器
- 都筑尭志
- 美術工芸学部デザイン科 製品デザイン専攻
文科省は小学校の音楽教育において「創造力」を育む教育推進を行っている。しかし、日本の音楽教育は依然としてリコーダーなどを使用し、大人数で繰り返し楽譜をなぞる「集団行動」を重視した教育を行うに留まっている。原因として、既存の楽器では「和音」が鳴らしづらいことや、教員が音楽の専門知識を持っていないことが挙げられる。そこで、音楽を「創る」ための楽器を提案する。
個人のアイデアを形にするために、ボリューム調整が自在で、和音を鳴らすことができるエレキギターが相応しいと考えた。しかし、エレキギターは操作が難しく、またアンプやスピーカーなど購入しなければいけない機材も多い。今回はそれらの問題を解決したアンプ&スピーカー内蔵型の3弦タイプのエレキギターを開発した。弦は即興性を重視して3弦とし、音階をフレットごとに合わせたことで簡単に和音の演奏を楽しむことができる。