金沢美術工芸大学
金沢美術工芸大学 第60回 美術工芸学部卒業制作展
地方都市再生の実践的研究
-金沢市材木町の町家継承・活用による地域活性化-
- 堀場 絵吏
- 美術工芸研究科デザイン専攻 環境デザインコース
藩政期から培われた生活文化が色濃く根付く、石川県金沢市材木町を研究対象地域に選定。本地域に多く存在する町家の遊休化や継承の困難さを解決する活性化策として、町家の継承・利活用を目的とした2つの施設とまちづくり組織を提案する。
基礎的研究を積み重ねた結果、起業家や活動家が地域の魅力形成において強い影響力を持つと想定。材木町を「創造的地域」と位置づけながら、開発エリアは新たな賑わいの軸「新材木町通り(仮称)」の沿道における2つの町会とした。空き町家は、コミュニティ拠点としてカフェ・ワーキングスペースを併設。居住町家の1階には物販スペースを設け、小商いを後押しする。町会とコーディネーターらによるまちづくり組織では、各希望者に対して空き町家の提供や居住町家の一部転貸を促す。町家の魅力発信として、エリアのコンテンツを活用したイベントの提案も行った。
これらの調査・研究は、計画するエリア内の町家を利用して発表会を実施。地域住民からは「変化のきっかけになる活動」と評価を得るなど、研究成果をまちに還すことで地域振興の一助となることを目指した。