卒展レポート

金沢美術工芸大学

金沢美術工芸大学 第60回 美術工芸学部卒業制作展

  • 災害に強い街にするための情報のデザイン<br />Information Design for Rapid Recovery from Disaster
  • 災害に強い街にするための情報のデザイン<br />Information Design for Rapid Recovery from Disaster
  • 災害に強い街にするための情報のデザイン<br />Information Design for Rapid Recovery from Disaster

災害に強い街にするための情報のデザイン
Information Design for Rapid Recovery from Disaster

山崎 文菜
美術工芸学部デザイン科 製品デザイン専攻

東日本大震災や熊本地震では、災害対策本部は被災地各所の刻々と変化する情報を迅速に収集できず、被災者はローカル情報を得る術がなかった。情報の収集・蓄積・共有の仕組みをデザインすることが必要であると考え、避難訓練イベント、避難場所運営者用端末、避難者用メディアの3つをデザインした。
「U-WALK」は、街歩きで楽しむ避難訓練イベント。災害が起こる前から、避難の妨げになる箇所などの防災上の弱点を、小・中学生の街歩き授業で洗い出し、年に2回の街歩きイベントを通して地域住民で共有。避難時には弱点となる箇所を避ける。
「U-REPORTER」は、避難場所の運営者向け端末。災害が起きた場合、避難場所の運営者は、開設・運営・情報の送信を、端末を使って迅速に行う。
「U-MAP」は、避難者用のメディア。各避難場所のU-REPORTERが送信した、生活・道路情報やボランティアの情報は校区ごとにマップ化され、避難所のモニターに表示される。リアルタイムのローカル情報は、危険エリアを避けたり、校区内で相互支援を生み出す手助けとなり、早期復興につながる。
「校区」というコミュニティ単位で、発災前に防災知識を蓄積、発災後は情報を収集・共有する仕組みが、助け合い体制を強固に構築し、災害を乗り越える力になることを期待する。
コンセプトムービーやU-MAP詳細はこちら http://aya72.portfoliobox.net/

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