金沢美術工芸大学
金沢美術工芸大学 第60回 美術工芸学部卒業制作展
犀川サイト
-川空間の活用-
- 仲津 佑哉
- 美術工芸学部デザイン科 環境デザイン専攻
川は心地よい風や音、景色を私たちに提供してくれる。しかし多くの川が金沢を流れる犀川のように、活用された場所というよりは、増水に備えた護岸により空間が形成され、単に両岸を分ける結界となってしまっている。制作では誰もが川の空間を楽しみながらしばらくの時間を過ごせる場所となるように、河原や護岸内にスポットをいくつか計画した。
水・石・生物の関係性(流れがぶつかる塊のもとに生物が集う)をコンセプトに、敷地にゆるやかな流れる線を描き、線上に人の動線や、滞在する場所を配置する。それらは、川の水を利用した水盆と噴水、河原へ降りる大階段とスロープ、休憩・イベントを行えるカフェスタンドとパビリオン、練習用400mトラック、大屋根の多目的空間や、沈下橋・飛石などである。
犀川への往来が増え、岸と岸、地域と地域を分ける存在からつなぐ存在へ、さらに言えば街の中心的な場所となればと思う。