石川県は合成繊維産業が盛んである。国内外の有名ファッションブランドや、撥水、防寒等機能性の高いウェアの服地の精錬加工、製造を請け負っており、合繊繊維では国内生産量の約2割が石川県で生産されている。製造過程の川上から川下において、繊維加工、精錬を行う川中が盛んであるが、強い川下を持たないために県民や観光客に対し石川合繊の特異性を伝える場は少ない。

そこで、合繊服のレンタルサービスや、服を選びながらの工場見学、石川の企業技術を活かした服作り体験によって石川の合繊をリアルに体感できる商業施設「ITTAN」を提案する。ITTANには「一反」(合繊機械で作られる布の最小単位50m)と「行ったん？」(石川弁で「行っの？」。親しまれる施設になるようにと思いを込めた。)という二つの意味がある。敷地は、繁華街に面する片町プレーゴに設定する。

県民や観光客がこの施設によって気軽に石川の産業にふれ、石川合繊を認識し、積極的に生活に取り入れるようになることを期待する。