金沢美術工芸大学
金沢美術工芸大学 第60回 美術工芸学部卒業制作展
Snuggle 空間になじみ正しい動作へ導く医療施設向け歩行車
- 馬場 菜摘
- 美術工芸学部デザイン科 製品デザイン専攻
近年、医療現場のデザインは旧来の衛生施設然としたものからリビングルームのように人々が心地よく過ごせるインテリアデザインに移行している。
しかし、そこで使用される器具のデザインは旧来の無骨なままで、周りの環境からも浮いた存在となっている。その中でも歩行車は椅子から立ち上がり歩行車へ移る動作が考慮されていない、高さ調整に手間が掛る、収納する際に場所を取るなど、利用者、補助者への配慮にも欠けている。
そこで今回、利用者補助者共に安全で快適に利用できる歩行車を提案する。座位から立位へ移る動作を補助する支えを腕乗せとは別に設けそこに体重を掛けると後脚が連動しブレーキが掛かり安全に立ち上がれるようにした。
腕乗せの高さ調整は1か所で行えるようにし、収納時には重ねられる形状・構造となっている。色調や素材も環境に合わせたものを選び周りに馴染むようデザインした。この歩行車でより快適で安全なリハビリテーションが行える事と、これらの器具にもっと注目が集まる事を期待する。