女子美術大学
空間識
宮木沙知子 / 大学院 美術研究科 修士課程 美術専攻 洋画研究領域
私の制作のテーマは『人が作品というものを意識する時何を基準に一つの物体として存在しているものを作品として意識するようになるか』という疑問を紐解いていく事である。
この疑問を解くカギとして、『空間』という要素をピックアップして考えている。
例えば、単なる物体であるキャンバスを『これは作品である』といくら説明しても、物体としての意識が強く、作品として意識する事は難しい。しかし、そのキャンバス上にある空間を作り出す事で、空間が振動し、作品として意識される。
この空間作りとして最も単純な形として円を用いている。円はそのもの自体に多くの空間性を含んでいるので、円を物体上に置く事で、物体が振動し、空間としての意識が生まれやすい。そのように円を画面上に置き空間を作り出す事で、空間の再認識を行い、作品空間としての意識をする事を促している。