近年、日本を訪れる外国人観光客は増加しつつある。言語の違う環境におかれた彼らは、常に道に迷うリスクを伴って行動している。彼らには道に迷うことを怖れることなく観光してほしい。そのために『道に迷っても、連れて行ってくれる存在』を提供することで彼らの心に安心を生むことができるのではないかと考えた。そこで私は、User Unit とGuide Unit、二つのユニットを使った半自動運転システムを持った新しい都市観光モビリティを考案する。観光客はUser Unitで自由に観光し、時にはGuide Unitに自動運転で複数台追従して走行する。誘導されることで道に迷う心配のなくなった彼らは移動の間も景色を楽しむ余裕を持てるようになり、一つの新しい観光スタイルを創出する。また、観光バスのように見下ろすのではなく、より道行く人と同じ視点で移動することが、彼らと観光客が共存する空間を演出する。デザインは『連なるカタチが生む安心感』をキーワードに展開し、鴨やアヒルの親子の行列のように道行く人が愛着を持てるようなキャラクターを表現した。
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