染色は、一つひとつが手作業であり、完璧に同じものを染めることはできない。わずかな染料の調合の差や色の重ね、染色方法による色彩表現はデジタル表現では味わえない面白さがある。そんなアナログ的な染色表現に魅力を感じ、型染技法を用いた手ぬぐいの制作を行った。
仙台手ぬぐい物語プロジェクトでは、今年度開業した仙台市営地下鉄東西線の「八木山動物公園」 「薬師堂」 「六丁の目」 の3駅を対象に、手ぬぐいを10枚ずつ型染で制作した。様々な用途に適応するよう、サイズは一般的な手ぬぐいよりも大きくした。

［八木山動物公園］子供の遊具としての手ぬぐいの提案を考えた。動物園の人気者「トラ」をモチーフにし、手ぬぐいを1匹のトラに見立てたインパクトのあるデザインに仕上げた。

［薬師堂］駅周辺には歴史ある寺が今も多く点在している。陸奥国分寺の創建期に使用された2種類の瓦を活かしたデザインに仕上げた。背景には唐草紋様をパターンとして施した。

［六丁の目駅］周辺は印刷工場が密集する地域である。東西線の全ての駅名を文字にして配置した。「六丁の目」の部分は、活版印刷で使用された「金属活字」をモチーフにした。

サイズ：950×385mm