トールボーイ型スピーカーは、どこの部屋においても場所を取らず、配置が容易である。このトールボーイ型スピーカーの上下を絞り込むことにより、独自の舟型タイプに仕上げたスピーカーが、一昨年研究室で作られた。

今回のスピーカーシステムは、そのバージョンアップモデルである。主な改良点は、①側面および背面の形状、②組み立て方式の変更である。また、前面の形状と寸法はほぼ同一にしつつ、木材を合板から集成材に変更した。

このモデルは前回同様、スピーカーシステムの内部空間の形状にこだわり、エンクロージャー内での定在波発生対策を施し、スピーカーユニットから発生した音の伝達において、外部へは音の回折現象、内部へは定在波低減の2点において対策を施したモデルである。

（山本正明賞）