武蔵野美術大学
平成28年度 武蔵野美術大学 卒業・修了制作展
鸚哥‐2
- 稲垣 慎
- 彫刻学科
彫刻や絵画においては、作る人の数だけ独自の表現技法があり、それによって例え同じモチーフを出発点にしたとしても違うものが出来上がるという、誰がどんな経緯でどのようなやり口に行き着くかという所そのものに興味があり、そういう興味はやがて作ることとは、自分とはという疑問に繋がってきます。
この作品のモチーフ鸚哥(インコ)はほんのきっかけのようなもので、問題は自分はこの鸚哥をどうしてしまうのか。そこには強い主観が込められ、時には偶然性を元にした変形もし、モチーフにとってはもはや歪みやエラーのような要素にもなり得る変形の過程を木に対して、チェーンソーや鑿を使って働きかけ、楽しんでいたわけです。