武蔵野美術大学
平成28年度 武蔵野美術大学 卒業・修了制作展
品川駅改造計画 ~都市を異化する/GL-40000の都市~
- 山田 陽平
- 建築学科
建築を置く行為は少なからず周囲へ何か影響してしまう。この影響をポジティブに捉えることで、建築による都市の設計が可能なのではないかと考えた。従って、コンテクストを読むだけでなく生成することに傾注する。また、現状に対しコントラストとなる建築を提案することで、周辺都市を逆説的に浮かび上がらせ、周囲を含め新しい都市へと飛躍することを意図する。これを建築による都市の異化作用とし、コンテクストとコントラストを生成することがここでの建築の目的となる。
敷地は品川駅及び港南口駅前広場の一帯である。現在品川では地下40mにリニアモーターカーの新駅の建設が進んでいる。この地下までの穴そのものを設計し提案する。円形の穴の外縁部に地中を進むように、リニア乗り場、ショッピングモール、文化的プログラム、ビジネス的プログラムなどの多様なプログラムを配している。地上ではどこにでもあるような都市的風景にぽっかりと巨大な穴があき、どこかシュルレアリスムのような風景となる。穴の底では、巨大な広場が多様な活動を包み込み、立面は断面都市として浮かび上がる。穴は今後さらに伸びていき、いずれはより広範なエリアに接続し、都市そのものとなるだろう。穴という強力なコンテクストと風景的コントラストとなる存在を、品川駅の拡張及び改造として、同時にGL-40000に位置する理想的都市像として提案する。また、本計画は今後の都市に応答する建築手法の提示でもある。