武蔵野美術大学
平成28年度 武蔵野美術大学 卒業・修了制作展
汀によせて
- 佐々井 歩
- 建築学科
広島駅から路面電車で約2、30分で行くことができる、街にとっては身近な広島港。ここは、関西と九州のちょうど中央に位置し、対岸に四国を見据える立地から、瀬戸内海を縦横に走る航路を結ぶ中枢港として発展してきた。近年、韓国や中国との定期航路も整備され、国際貿易港としても注目を集めつつある。と同時に、周辺の島々から市街地へ通勤・通学で利用され、市民にとっては欠く事ができない生活港としての機能も担っている。いわば、海から広島、広島から海への港の玄関口である。しかし、現状は場所から場所への通過点にすぎず、広島の市民にとって海辺、港に対する関心はいまひとつ希薄な印象がある。そこで、立ちどまり滞在したくなるような魅力的な港を計画しようと考えた。
ボリュームについては、海の洞窟やテトラポットの中から見える景色などをイメージしながら形を決めている。
ぜひ、この建物に立って瀬戸内の海と島々が見える素敵な景色を想像して欲しい。