人とモノと空間を繋ぐために、音（振動）と生活の関係を探求し、音をインテリア空間で可視化するとともに楽しめるツールとして、今までにない新しい家具を制作した。コロナ禍で変わってしまった生活様式の中でも、それぞれの人が様々な生活姿勢の中で音（振動）による体感や刺激などを発見でき、非日常性を演出して暮らしをより豊かに楽しめる「音の家具」の提案である。

制作した家具は、ペルー発祥のカホンやスリットドラムなどの打楽器を参考に、演奏における要素からベース、リズム、メロディーの3つを抽出し構成している。各々は音色や音質が異なり、ベースはシンプルな音色で低い音の家具、リズムはノイズを出して細かく高い音の家具、メロディーはスリットによって音階が変化する家具となっている。これらは、一体に連結してコンパクトにまとめることもでき、使用者の好みや生活姿勢に合わせて姿を変えて奏で方で音（振動）が変わる、その人のための家具となる。

作品は、音（振動）に着目して、自分好みに生活へ変化をもたらす、これまでに無い家具を具現化した。これからの新しい日常に向け、人とモノと空間の関わり方を再考する環境デザインの新しい試みである。