卒展レポート

東京工芸大学

東京工芸大学芸術学部卒業・大学院修了制作展2021

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FuWari

越合 真鈴
芸術学部 デザイン学科 映像情報デザイン領域

『FuWari』はシャボン玉を吹くという行為をきっかけとして制作した、情報をシャボン玉に乗せて発信することができる新しいメディアの提案です。

シャボン玉は強く吹けば「軽くて遠くまで飛んでいく小さい球」をたくさん、弱く吹けば「重くてその場にとどまり続ける大きな球」を少しだけ作ることができる性質があります。このシャボン玉の中の空気を「発信したい情報」に置き換えたとき、息の強さによって発信する情報の量と発信する範囲を変えられるシャボン玉インターフェイスを作れると考えました。

このシャボン玉インターフェイスを利用したのがFuWariです。FuWariは駅ホーム・バス停に設置されるデジタルサイネージとアプリを連携させて利用します。発信したい情報をアプリで入力し、デジタルサイネージに向けてスマートフォン越しに息を吹くことで、情報をシャボン玉としてサイネージ上に発信することができます。発信されたシャボン玉は、電車やバスが到着した際の風圧で隣の駅・バス停のサイネージに移動していきます。サイネージを介して、情報が場所を転々と移動していくことで、SNSなどのどこへでも均一に拡散し広がる情報伝達とは違い、発信した場所からじんわりと広がっていくような「物理的な方向性」を持った情報伝達が可能になるのがFuWariの特徴です。シャボン玉は触れることで中身の情報を見ることができます。

退屈な電車やバスの待ち時間を、FuWariで情報と出会う有意義な時間にしてみませんか?

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