東京工芸大学
東京工芸大学芸術学部卒業・大学院修了制作展2020
春は今くれる空の色
- 中村裕久
- 芸術学部 映像学科
身体映像研究室では、卒業制作展において「色の記憶」という大テーマをもとに、オムニバス形式での舞台公演を行った。それぞれの作品をオムニバスとして一つの作品群とするために、研究室生全員で、作品群全体に「Good Night EVEVRGREEN」という大タイトルをつけた。つまり「春は今くれる空の色」は「Good Night EVEVRGREEN」に含まれる一つの章という形で作成された舞台作品となっている。
作品単体としては、学生時代という「春」の終わりを迎える自分たちの節目とかけて、物事の終わりと、それからの始まりを描くことをテーマに掲げた。俗に「青春」とは言うが、人生における「春」とは本当に青色なのだろうかという疑問から出発し、であればきっと「春」とは「空」のように絶えず色を変え続けているものではないだろうかという結論に至り、「春」が空の色のように「暮れていく」という意味と、「春」が自分たちに空の色を「与えてくれた」という二つの意味を込めた題名をつけた。
また、舞台だからこそできる面白さを追求し、「とある舞台公演のバラシの最中」という設定で物語を展開することで、劇場として使用したスタジオという空間をメタ的に利用し、生の空間で虚実が入り乱れる演出をした。