東京工芸大学
東京工芸大学芸術学部卒業・大学院修了制作展2020
擬死照明
- 薄葉柾人
- 芸術学部 インタラクティブメディア学科
本作品は自然の中で野生動物を観察するなどの自然体験を身体的、心理的に疑似体験させ無意図的想起を起こさせるインタラクティブアートです。
基本擬死照明はシェードを震わせながら光り鳴き声を出しています。活動している時に急に近づくと死んだふりをして活動を停止してしまいます。鳴いているセミに近づくと警戒して鳴き止んでしまうように。
しかし、中腰など低い姿勢でゆっくり擬死照明に近付けば、警戒されずに至近距離で観察することが出来ます。
卒業制作展では「アシグロツユムシ」、「ササキリ」、「エゾエンマコオロギ」、「クロツヤコオロギ」、「スズムシ」の5種類の虫が鳴いていました。いずれも環境省のレッドリストに掲載されている野生で数の少ない昆虫達で、人が不用意に近づくと本当にいなくなってしまうという思いを込めて今回ピックアップしました。
本作品は自然資料館などに設置されているボタンを押すとその地域の生き物の声が聞けるデバイスの新しい形として生き物の関心を高める効果を期待しています。