卒展レポート

東京工芸大学

東京工芸大学芸術学部卒業・大学院修了制作展2020

  • 中国らしさを発信するリゾート施設
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中国らしさを発信するリゾート施設

CAO YINFENG(ソウ ギンフウ)
芸術学部 デザイン学科 空間プロダクトデザイン領域

これは、ある「場」にあるものを「なんでも設定してみたい」、という気持ちで考え始まったリゾート企画です。地形、建築外観から庭園、照明まで自ら世界観をつくり、そのライフスタイルを提案するによって自分が感心して、研究しているものを人に伝えたいと考えています。

中国古来の王室と貴族たちが、別荘や私邸を構えた江南地域の建築風格をベースに、長い歴史の中に秘めた中国ならではの美意識を追い求める「洞天」、即ち「桃源郷」のことである。伝統的な格式とモダンな要素を生み出す感性に響く、質感を究めた風雅な異空間。円形の空を切り取って、私物にする唯一無二の優越感、そしてその背後の歴史と関係を築くことを大事にする。「移歩換景」を実現するために、ヴィラの建築様式は中国福建省にある「土楼」(つちろう)のリング状仕様を使い、廊下エリアで移動するだけで中央にある庭を立体的に味わえる。

リゾートは大半いい風景とともに存在する、それはもはや当たり前のことだと思う。しかし平原である上海では、開発遅れの地域は自然風景が少ない。そのために、ヴィラ自身が庭園という「景観」を持つようにしないといけないと思う。さらに冬の寒さを耐えるために西北向きの風を防ぐこと、夏の蒸し暑さを解決するために東南からの風を引き込むこと、「土楼」の形に個人的なカスタマイズを加えて制作した。

作品一覧