卒展レポート

東京工芸大学

東京工芸大学芸術学部卒業・大学院修了制作展2016

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清水 さやか
芸術学部 デザイン学科 ヒューマンプロダクトコース

最近ちょっとしたことでイライラする。友達と出かけるのも億劫。そんな気分の時もありますよね。hanabiは、そんな気分を花火で華(hana)やかにする、お香で鼻(hana)から癒す新しいアロマ線香花火です。この作品で参考にしたのは、日本の線香花火の元祖ともいわれるすぼ手牡丹。この花火の江戸時代の楽しみ方はなんとも不思議で、手で持たずに香炉に立て、少人数で眺めて楽しまれていました。その様子がまるで線香のようであることから、線香花火の名前がついたのです。そんな歴史をもつ日本の線香花火。海外で安価に生産できることから、今では国産品の生産量がぐんと減ってしまいました。このままなくなってしまうなんて悲しい。その職人技と美しさを、茶道のように日本の心をもってじっくりと楽しんでほしい。そんな思いを込めて、セットは茶道具をモチーフにデザインしています。江戸時代の花火と異なるのは、線香花火の名前の通り、芯が本当にお香でできているところ。花火の後には香りだけを残して灰となるため、遊び終わった花火を水バケツに放り込むさみしさもありません。花火を観賞した後は、心地よい香りの中でくつろぎの時間をお過ごしください。

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