卒展レポート

東京工芸大学

東京工芸大学芸術学部卒業・大学院修了制作展2016

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ディスレクシア

陳 えん良
芸術学部 デザイン学科 ビジュアルコミュニケーションコース

ディスレクシアとは学習障害(LD)の一種です。知的能力、聴力、視力ともに全て正常でありながら、文字の読み書きのみに困難を伴う障害です。文字がにじんで歪み泳いで見える、一字一句は読めても文の意味を理解できない、文字が逆に見えるなど様々な症状があります。また、字を書く時にも文字が正確に認識できず、なかなか書く事ができません。現在の日本ではディスレクシアに関する研究があまり進んでおらず、社会的な実態調査や実情の把握がなされていない状況です。この状況で一番苦しんでいるのは子供たちです。学習障害の子供たちの多くがそのことに気付かれず、普通の子供と比べられることで、単純な発達の遅れ、本人の努力不足、親の教えが悪いなどの偏見を持たれ、周りの理解を得られず、一人で苦しんでいます。「みんなが出来る事なのに、自分はできない」こういった思いが不登校、引きこもり、自傷行為などの原因となり、最悪の場合には二次障害・強迫性障害という症状が出る子供もいます。日本ではあまり認知されていないディスレクシアを、少しでも多くの人に知って欲しいという思いから制作しました。そして今の状況をどう受け止め、行動するのかが私たちの今後の課題なのです。

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