東京工芸大学
東京工芸大学芸術学部卒業・大学院修了制作展2016
然らば
- 東海林 波王
- 芸術学部 写真学科
時間は常に進んでいる。
人間が物事を理解するには、あまりにも時間の流れは早い。
日常の出来事は、過ぎ行く時間の中に埋もれていき
その時そこにいたものたちは、時とともに忘れられてしまう。
気づけば、既に過去になってしまったものへ、感情が追いつく前に、無意識に別れを告げている自分がいた。
過ぎ行く時間に抵抗できない私たちは、進み続ける時間の流れに流され、常に「今」を生きている。
同時に今を受け入れることで、今であったはずの「過去」も受け入れる。
「今」に慣れてしまうことに苛立ちと哀しみを感じた。
あまりにも早く進む、時間の流れに抵抗する事にこそ、意味があるのではないだろうか。
過去になってしまったものに想いを馳せ、無意識に受け入れてしまっていた事実を理解したいと思った。
そして、確かに存在したものたちの事を忘れてしまう前に
私は、もう一度彼らに別れを告げる事にした。