文星芸術大学
少年
長谷川つばさ / 短期大学アートフィールド
一人の少年が成長していく様と、思春期に見受けられる複雑な心の葛藤をテーマした作品である。エスキースを繰り返す中で自分自身とも向き合い、マチエールや構図など画面構成の問題を解決していった。その中で一貫していた「耽美な少年を描きたい」という作者の思いは、日本文学に於ける耽美派の退廃化現象と通ずるところがあるのだろうか。描き込まれている植物の種類とその花言葉にも、成長過程に於ける心理状態を示す、決して前向きとは捉え難い意味合いが込められている。