文星芸術大学
『髙村光雲先生考案下繪』帖について
内藤美優 / 芸術理論専攻
本学図書館分館秋山記念文庫所蔵『髙村光雲先生考案下繪』帖。本資料は冊子の形態をとり、表紙、裏表紙を除いた78頁にわたって別の紙に描かれた図を貼り込む貼込帖である。描かれた図は器物が多く、その形態を分析した結果、急須、水瓶、容器、蓋、湯呑茶碗、時計、時計台、置物、鏡台、便箋、その他計146点にのぼり、工芸品がほとんどを占めることが判明した。こうした特徴から、光雲が活躍した明治期に起こった日本の工芸品輸出ブームに関連するのではないかと考察した。