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産学連携 大学などの教育機関と民間企業が連携して行うデザイン開発プロジェクト

首都大学東京 KADEN PROJECT 2012 -スマートなみらいのためにできるコト-

首都大学東京

KADEN PROJECT 2012
-スマートなみらいのためにできるコト-

学内の研究シーズや技術を活用したイノベーティブな製品プロセスの実践

2013/08/21 UPDATE

CASE 3

U-alarm

指向性スピーカーを利用した目覚まし時計

参加メンバー:システムデザイン研究科6名(インダストリアルアート学域/ヒューマンメカトロニクスシステム学域/経営システムデザイン学域)

従来の目覚まし時計の機能であるアラーム音の広がりは、時として同じ部屋で眠る他者の睡眠の妨げにつながりかねません。さらには大音量のアラーム音などは隣室にまで響く場合があります。この問題を解決するべく提案したのが、超音波の直進性を利用して音を一方向のみに飛ばすことのできる指向性スピーカーを用いた目覚まし時計です。

朝の時間の問題解決

3Dモデルと実働モデル
3Dモデルと実働モデル
初期段階のアイデアスケッチ
初期段階のアイデアスケッチ

まず、日常生活において個々が抱えている問題点・要改善点などにつながりそうなキーワードをブレインストーミングで自由に挙げていきました。その結果、老若男女の多くが抱えているであろう睡眠関係の悩み、その中でも朝の目覚めを快適にできるプロダクトを作るということに決定しました。

それを踏まえて、起床や朝の時間に関係する日常の不満とニーズ、既存製品に焦点を当てたリサーチ等を重ねた結果、朝の生活音と騒音問題、近年の起床時刻の変化、家族生活の多様化などが挙がりました。これらを朝の日常生活へのニーズとして捉え、シーズと掛け合わせることで新たなプロダクトのアイデアを探りました。

結果、アラーム機能を持つ目覚まし時計の改善案として、シーズのひとつであった指向性スピーカーの有用性が挙げられ、それを利用して効果的な起床を促す新たな目覚まし時計の提案につながりました。

直線的に目覚ましアラーム音を飛ばすこのプロダクトは、起こす対象に寝相や寝返りでの動きがあったとしてももっとも効果的な方向にアラーム音を飛ばす必要があります。そのための構造として温度センサとサーボモーターを用いるアイデアを提案しました。寝返りをうっても温度センサーで体温を感知し、その方向へサーボモーターを回転、指向性スピーカーの照準を修正することで効果的にアラーム音を届けられます。

Structure Approach

内部機構からの設計検討

人の位置を把握した指向に必要となる回転、つまり左右への首振り機能をサーボモーターを用いて搭載することにしたので、機構的な動作範囲を確定し、設計を始めました。回転の動きに対応した内部設計とそれに準じた円柱型の外部設計を施し、指向性スピーカーの直線的な音の波の不必要な反射を最小限にして的確に一方向のみにアラームを飛ばすための吸音フィルターの使用法等も検討しました。このように内部機構をもとにした設計検討による実働モデルを作成し、その機能と効果を示しました。

スピーカーを用いながらの構造の検討の様子
スピーカーを用いながらの構造の検討の様子
実働モデルのプロトタイプ
実働モデルのプロトタイプ