首都大学東京
KADEN PROJECT 2012
-スマートなみらいのためにできるコト-
学内の研究シーズや技術を活用したイノベーティブな製品プロセスの実践
2013/08/21 UPDATE
CASE 2 |
BABY KEEPER |
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赤ちゃんのための動くとおせんぼパーテーション |
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参加メンバー:システムデザイン研究科5名(インダストリアルアート学域/ヒューマンメカトロニクスシステム学域) |
赤ちゃんとその家族のための、動くとおせんぼパーテーション。ハイハイをはじめた赤ちゃんにはできるだけ自由に歩き回ってほしい。でも、ちょっと目を離した隙に危ないところに入ってケガをしたら大変!そこでこのBABY KEEPER は、あらかじめカメラで登録した赤ちゃんの顔をカメラで捉えると、赤ちゃんの進行方向に先回りし、とおせんぼします。また、動く時に音が鳴ることで、家族に知らせることができ、ふと目を離してしまっても気づくことができます。動いて対応するので、場所をとらず赤ちゃんは自由に動け、取り付けの手間がありません。
スケッチやプロトタイプを用いた検討と意識共有
私たちの班は、ヒューマンメカトロニクスシステム学域の技術系学生が2人、インダストリアルアート学域のデザイン系が3人の計5人で構成されています。
まず、技術系学生の持ついくつかのシーズを元にアイディアを広げ、そのアイディアをユーザーやシーンごとにグルーピングし、またアイディアを広げる、というアイディアの収束と拡散を繰り返しながら、画像認識」を使った「赤ちゃん」に対する「とおせんぼ」のアイディアが面白かったので起用しました。大きさの検討から動き方まで、プロトタイプを使ってブラッシュアップしやすい点も理由の一つです。アイディア発想するときはスケッチや具体的な大きさで、視覚化・実寸化することで共有し、チーム内のイメージの統一を意識したワークを心がけました。
その中で、「赤ちゃんにとって安全であること」で、車輪に手や衣類が巻き込まれないように、マウスボールのようなタイヤを四隅に配置し、万が一倒れた時にも後ろの面を平らにすることによって安定するようにし、造形では「赤ちゃんにある程度の圧迫感を与えること」、赤ちゃんだけでなく「家族の使いやすさ」をポイントとして進めました。
寸法は、スタイロフォームや竹ヒゴ、ガムテープなどを使ってターティプロトタイプを作り、大きさとボリュームを実寸で検討しました。日本住宅の廊下の平均幅は800mm。その幅を塞ぐ為に900mm 前後で大きさを検討し、バランス間を重視しながらおおまかに高さと奥行きを定めました。車輪の数も同じようにモックで検討し、安定性をとって4輪にしました。
造形のスケッチを進め、イメージに合うものを1/2のスポンジを積層させカッターで削りだしながら立体で検討しています。そしてさらにそれらを参考にしながら、立体を3Dデータに起こし、微調整をして造形と寸法を定めました。またレンダリングデータでは同時並行的にCMFについても進めていきました。
画像認識を動作のトリガーに
今回のシーズは「画像認識」という、カメラで物体の特徴点を認識させ、対象物が画像内に存在すると画像処理により検知される技術で、主にロボットアームなどの制御に使われています。赤ちゃんの顔を認識してとおせんぽするというコンセプトの核である「画像認識で顔を認識すると動く」という動きをのために「画像認識」と「駆動が動く」プログラムをAruduino というシステムでつなぎ、実働プロトタイプを制作しました。
BABY KEEPER は、ユーザーの元で製品がどのような価値を持って生活を変えていきたいのかを考え、赤ちゃんも家族もより気持ちよく育ち、子育てできることで、毎日に笑顔を溢れさせたいという願いがこもっています。