明治中期頃から横浜で外人向けの商業写真文化が流行りました。
彩色写真、蒔絵アルバムなど日本の伝統技術と結び合って生まれたそれらの写真工芸品は、その地の名をとり「横浜写真」と呼ばれるようになりました。
私はその写真を初めて見た時に、今まで想像の中にしかなかった歴史と化した世界をリアルに感じ取りました。なかでも彩色写真は一枚一枚に写される景色の時間が、その中で永遠とループしているようにも思えます。
その伝統工芸技術とも言える横浜写真の彩色を現代版にして自分なりの表現をした作品を作れないかと考え、日本国内の様々な観光地をまわり、その景色を自分のイメージする色彩で塗りました。
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