卒展レポート

岡山県立大学

岡山県立大学デザイン学部デザイン学研究科 卒業・修了制作展2016

繊維廃材を用いたフレーム

繊維廃材を用いたフレーム

谷口 敦子
デザイン学部 デザイン工学科 プロダクトデザイン

繊維業界では産業廃棄物となった布生地を再利用する仕組みが長年確立しておらず、リサイクル率が依然と低いままになっている。その要因として繊維業界では、布のリサイクルと需要のバランスがうまく取れていないということが挙げられる。循環型社会を目指した新しい取り組みとして、現在アップサイクル事業が注目されその事業は増加傾向にある。しかし、アップサイクルでは一定した品質の素材が得られないという問題も抱えており、手作業に近い製作工程を行っている企業も少なくないことが分かった。

このフレームは工場から出た布の廃材を用いて、繊維を分解しないまま利用するというアップサイクルの利点を取り入れつつも一定した基準が得られる製品となるように加工を施した。素材となる繊維板は布繊維と樹脂を組み合わせ、丸鋸で切断し仕上げに染色をした。繊維ならではの加工を用いることで、繊維の特徴である柔軟性や毛羽立ちのある触感を損なうことのない作品となり、木材ではできない質感を再現した。

廃材から作られるフレームはすべて一点物となり、絵画等を入れるだけではなくインテリアデコレーションとしての楽しみ方ができる。バリエーションとして、市場に多く出回っているポストカード、A5、A4の3つのサイズを展開した。

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