名古屋造形大学
名古屋造形大学 第23回卒展/第12回大学院修了展
新日本様式
- 中井 俊樹
- 造形表現構想分野
近年、クールジャパンなどで日本文化が国際的に注目され高く評価されていますが、今でこそ日本文化の独自性と今後の可能性を考察する機会であると考えます。日本文化を語る場合、一般的には「お祭り」や「儀式」の様な非日常の行事や仕来り、または「和服」や「家具」「建築」の様な日常的な生活に根付いた物が注目されています。しかしながら、草履やぽっくりなどの「履物」が着目される機会は多くはありません。そこに注目し、中井院生は日本文化を支える「履物」に焦点をおいて新たなプロダクトを考えました。
日本文化をイメージする「履物」について調査研究の結果、古来から現代までその形においては、大きな変化が見られず、これは西洋の文化を取り入れた衣服などと違って、西洋の道路整備や舗装技術等に基づいた生活環境の違いなどから、履物については西洋の文化を取り入れないまま現代に至ったのではないか?というひとつの仮説設定をしています。
そこで、西洋との生活環境に大きな差異が認められない今日において、進化が止まったままの日本の履物について再考し、日本と西洋とのテイストを心地良く融合させ新たな日本文化を再構築した「履物」を研究、そのモデル化を提案しており、優秀であると評価し推薦いたします。