卒展レポート

文星芸術大学

平成27年度 文星芸術大学卒業・修了制作展[美術学部]

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おくりもの

岡田祐佳
日本画専攻

人の死とは、常に私達と隣り合わせである。そんなものは日頃忘れかけているが、意外と簡単にあっさりとその瞬間は訪れるものであり、そして意外と簡単に受け入れることが出来るものである。同時に、寄り添うような後悔と、計り知れない罪の意識も受け入れずにはいられないが。亡き人は、何を思い、死に向かったのかを想像するだけで、私は何も手につかず、天に謝るばかりである。私は気づかぬ間に沢山のものを貰っていたのに、自らは何一つ返す事はできなかった。私は今出来る精一杯の表現で、返すのではなく、何か贈りたいと思い、選んだ「おくりもの」は安らかな眠りである。亡き人が生から死への道に足を踏み入れる時、迷わず進めるようにという気持ちを込めて制作した。蝶はその案内人である。今、思える生と死のはざまの世界を表現し、私なりの「おくりもの」を贈った。

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