東京造形大学
2016年度 東京造形大学 ZOKEI展
日本移民共和国『いちょう団地』
- 田中 夏鈴
- 造形学部デザイン学科 室内建築
このプロジェクトは、2016年5月から『いちょう団地』をフィールドとして、そこにある「民話」の収集を通して通して異民族間の繋がりついて調べ、そしてそれにより発見された課題の解決を目指す実践したものです。
『いちょう団地』は、神奈川県の横浜市と大和市にまたがる県営団地です。
入居者の3割以上が日本国外のアジア圏にルーツを持っており、本来の日本入居者の人口減と同時的にベトナム・カンボジア・ラオスのインドシナ難民が入居を始めて中国残留孤児たちが移り住み、現在では10以上もの国と地域を出身とする人々この団地で暮らしています。
この『いちょう団地』は、少子高齢化とそれに伴う人口減少が進行し、同時的に労働移民としての在留外国人の数が増加の途にある日本の現在と未来の小さなモデルと考えられるはずです。
私たちは、国や民族、そして文化や宗教など(異なりの境界線)によって社会の中で相互に分断されています。
このプロジェクトでは、共通の基礎の上に立つ「人間」として異なる他者同士が受容・尊重を始められるために、口頭伝承により家族や同胞の中で受け継がれて来た多様な『民話』を多民族が移住・共生している共同体の内部で収集し、そしてそれを内部での交換と外部への拡散を通して「異民族間の交差点」が社会に広く育まれるプロセスのデザインを提案しています。