2011年3月11日に発生した東日本大震災以降、山形で暮らす自分に何ができるのかというジレンマを感じていた。日本画を学ぶ自分ができることを追求していったとき、この想像を絶するほどの出来事を、糖蜜のように煮え立つ風景画をメタファーとして、失った命や当事者の人々の思いの表現を試みることに至った。イメージがどんどん消費され、私達の記憶からも薄れていく中で、後世の人々も歴史的な出来事を想像できる絵を描きたいと思った。