文化資産など過去の遺産の保存に役立てられてきたデジタルアーカイブだが、近年その仕組みや技術を、企業における資料保存、すなわちビジネスアーカイブに利用することが注目され始めている。例えば、デジタルアーカイブをIR情報の公開に活用すれば、従来より多くのさまざまなデータを効率的に投資家に見せられるなど、可能性は無限にある。しかし、デジタルアーカイブをビジネスアーカイブの分野で活用できることを知っている企業はまだ多くはない。周年事業などで行われる社史の編纂に、デジタルアーカイブが役立つことも理解されていないのが現実だ。実際に、私は就職活動中に多くの企業でデジタルアーカイブとは何かと問われた。では、どうすればより多くの企業にデジタルアーカイブの価値に気付いてもらえるのか。また、ビジネスアーカイブは今後どう発展していくのか。企業の資料保存の担当者らに対するインタビュー調査の結果を元に研究を進めた。

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