卒展レポート

武蔵野美術大学

平成30年度 武蔵野美術大学 卒業・修了制作展

廻るバスハウス

日捺茄乃子
映像学科

~ほげほげぴーなつのあまりにもあまりにも愉快すぎる銭湯へようこそ!~

銭湯でアルバイトして3年半
ここには色んなお客さんが来る
服を着ていたら会うこともなかった人たち
脱衣所では肩書きも職業も何もかもみんな脱ぎ捨てる
それぞれ過ごした様々な時間がゆらゆらと
一つの大きな空間に立ち込める

何年も顔馴染みなのに互いに名前も知らない老人たち
部活帰りのどろんこ少年
入る前と出た後で顔が変わるお姉さん
足が悪くて来られなくなった常連さん
戸惑いながら入浴券を買う上京したての大学生
よく来てたおじいさん、しばらく見ないと思ってたら亡くなったときいた
この間まで高校生だった子、赤ちゃんを連れて来た

私にとって銭湯は、好きだとか嫌いだとかではなく、ずっと不思議な場所でした。
人生でどんなに悲しいことが起きようが嬉しいことが起きようが銭湯の中では関係なくて
一人一人が生み出すいつもと変わらないたくさんの日常が混ざり合ってぼんやりと廻っていました。
もしかしたら私にもそんな場所が作れたのかなと思います。

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