武蔵野美術大学
平成30年度 武蔵野美術大学 卒業・修了制作展
breath ~呼吸を操る木育玩具~
- 小川貴寛
- 工芸工業デザイン学科
4~5歳児をターゲットとした、「息」を使った遊びで精神と肉体の発達を助け、遊びの世界を広げる事を目的とした木製知育玩具です。
脳科学の研究によると、人の脳は6歳までに約9割が成熟すると言われており、この間にどんな遊びや経験をしたかによってその子の将来や人生までもが決まるとさえ言われています。
この提案では、知育を食事と同じように栄養素やバランスを気遣うものと捉え、子供にとっても様々な要素や側面を持つ遊びにバランスよく触れることを目指しました。
「息」に着目したのも、吹く以外にも浮いたり…飛ばしたり…吸い付かせたりとバリエーションが豊富な上、肺を活性化させることで身体全体に活力を与える効果もあり、身体機能の発達にも良い刺激になります。
遊び方としては、おもに「回す」「浮かせる」「転がす」といった動作を楽しくするパーツを用意してはいますが、明確なルールや遊び方はありません。何故なら子供達がそれらに触れることで生まれる新しい発見やヒラメキを元に「飛ばすのが楽しいからこうしてみよう」と道を作ったり、「ゴールを作ったらもっと楽しいぞ」と独自のアレンジをしていったり…と、子供が自由に試行錯誤をしながら楽しめることが第一だと考えているからです。
また選んだ材質にもこだわりがあり、木の持つ香りや温もりには脳の大脳辺縁系に刺激を与え思考や感性が豊かになるという効果もあるため、遊びながら木の香りや質感の違いも楽しめるよう5つの品種を選びました。
最後に、私のデザインしたおもちゃによって今の子供達の未来が少しでも明るいものになることを願っております。