武蔵野美術大学
平成29年度 武蔵野美術大学 卒業・修了制作展
「鏡に描いた自画像 #4」「卒制メモ」「卒制メモ2」
- 佐藤洸
- 日本画学科
「鏡に描いた自画像 #4」は、絵具の連なりでできた絵画空間と、絵の外(鏡の向こう)の空間が重なり合う場所を作り出す作業だった。「卒制メモ」は「鏡に描いた自画像 #4」を制作する時に書いていたメモ。それらを同時に並べることで、僕が絵と格闘していた営み自体を展示できたらと考えた。
鏡を使った作品は今まで何度か描いているが、ひとつ前の作品を講評してくださった教授が「絵を回答用紙にするな」というような事をおっしゃった。制作を進めて答えを探るということをしなさい、という事だ。今回の卒制は、それを分かるようになるというのが目的の一つだった。
この作品の制作を進めていく上で技術的・内容的に様々な問題と出会い、それを一つずつ解決しようとする中で、思ってもいなかったような解決方法があると知ったり、様々な発見があって、美術や作品に対する目が変わっていった。そうやって、自分自身が変わっていくこと、や自分の見ている世界が変わっていくこと、それを感じていくこと。過去を振り返った時、自分に胸を張るために必要なことはそういうことなのだと思う。