10年前、想像していたハタチはもっともっと落ち着いていて、なんでもわかっていて、いわゆる大人だった。
20歳という区切りは大人と子供の区切りだ。だけど、今の私はどうだろう。10年前の自分が思い描いていた大人では無いと思う。別にそれが悪くないと思えたのはこの年頃の人の美しさに気づけたからだ。少女でも、大人でもない。この曖昧な時間はどちらの良さも持っているようで、欲張りで美しいと思った。
精一杯、大人になろうとしているところから垣間見える、あどけなさも背伸びしたかっこつけも、全部が美しい。
ストロボの一瞬の光はその垣間見える少女性をパッと照らすようだ。時は刻々と消費され次々と過去として放出されていく。少女でも大人でもないこの時がいつまで続くのか、それはわからないけど、写真に写った彼女の一瞬の美しさはいつまでもこの画面に残り続ける。