文星芸術大学
平成28年度 文星芸術大学卒業・修了制作展
サトウテルキ:遅刻
- 大門 由樹
- CG・アニメーション
4年間の集大成である卒業制作として、どのような短編アニメーションを作ろうかと考えた時、まず直面したのが、「声優が使えない」「著作権的に問題になるBGMは使えない」「1年以内に完成しなければならない」といった制作上の制約です。なおかつ、「見てもらえる作品」「楽しんでもらえる作品」であることも必須の条件。こうした条件のもと「音楽に合わせたスピード感のあるセリフのない映像」を企画しました。
昨秋、自宅前の小学校で運動会開催の折、聞こえてきたのが本作のBGM「ウィリアムテル序曲」です。これを聞いて「追いかけっこ」をしているシーンをイメージし、本作の「朝寝坊した主人公が駅を目指し警察に追われる」という基本構想ができあがりました。
また、個人的に好きな映画「太陽を盗んだ男」「ルパン三世カリオストロの城」この両作品の有名な“カーチェイスシーン”を引用し、そして、地元である栃木県鹿沼市のまちづくりに関わっていたことから、舞台を鹿沼としました。制作に当たり「見ている人を笑わせる」ということに心がけました。美大生というのは、概ね作ることに夢中になり、作品を見せる、見ている人を楽しませる、という視点を欠くことが多いのではないかと日頃から思っていたからです。
最後に、BGMを制作して下さった音楽家の瓦井信夫さん、制作を手伝ってくれた各専攻1~4年生有志、そして先生方のご指導がなければ、本作は完成しなかったことと思います。重ねて感謝申し上げます。