文化学園大学
文化学園大学 卒業研究展
寄り添う家具
- 飯野 万里穂
- 造形学部 建築・インテリア学科
夢中で探していたのに、気がついたら何を探していたのか分からなくなってしまう。大切な宝物ばかり入ったおもちゃ箱をひっくり返して壊したくなるような感覚。今ここにいるべきなのか、そもそもここがどこなのか、今までしてきたことが正しかったのか、暗中模索の中、何も手にできなかったと空に感じる掌を打ち付けたくなるかもしれない。その感情や行為は何かを手にするための段階であり、ふと気づく頃にそっと何かを掴んでいるものだと伝える。
実現させたいこと、達成したい目標、なりたい自分、それらのために今していることが最善なのか漠然とした不安を抱え今までの自分を否定する。大切にしてきたものを壊してしまう感覚や全て投げ出して逃げ出してしまいたいと思う気持ちに寄り添い、行動してきたこと、経験、感じた気持ち全てに意味があるということを伝える家具である。