桑沢デザイン研究所
モノトリウム 差のないものに宿る差異
総合デザイン科 ビジュアルデザイン専攻 八十島博明ゼミ
工場で大量に生産される工業製品に、差は存在しません。町へ赴けば全く同一の商品が、いくつも棚に並んでいます。しかし、これらのものも人が買い使っていく事で、汚れや痛みといった差が生まれます。もしかすると全く新品の商品よりも自らが使用する過程で手になじみ、癖のついていったものの方が魅力や愛着を感じるのではないでしょうか。私は差の無い全くの新品と、使い古されたものとを本書で比較しました。ものには、私たちの行動の全てが忠実に反映されています。普段私達が汚れとしか認識しないものは、本来差のない物に宿った時間と人の関係、それぞれの製品達が晒された環境の違いを表わしているのではないでしょうか。