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産学連携 大学などの教育機関と民間企業が連携して行うデザイン開発プロジェクト

新しいロードベストの在り方(普段でも着用出来る安全ベストの提案)

金沢美術工芸大学

リアリティある社会連携プロジェクト 2013

2014/12/17 UPDATE

CASE 2

新しいロードベストの在り方
(普段でも着用出来る安全ベストの提案)

委託者:中日本ハイウエイ・エンジニアリング東京株式会社
参加メンバー:デザイン科 製品デザイン専攻、大学院 デザイン科 ファッションコース

中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京株式会社では、反射材を使用したベストをサービスエリアなどで安価に販売している。このベストは、高速道路上の事故などにおいて、乗員が車外において活動しなければならない際に、他の運転者からの視認性を高め、事故発生を防止することを目的としている。今回の制作研究は、この安全確保を目的としたベストについて、様々な年代の方が通勤通学や道路上でのスポーツ時など日常でも着用できる形態を探るものである。中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京株式会社にとっては、成果をもって高速道路利用者への技術による還元を目指し、また美大生にとっては、現場に関わる方々の意見を踏まえながらデザインプロセスを経験する、貴重なインターンシップの場として制作研究を行った。

条件の確認

商品についてのレクチャーを受け、これまでの経緯と今後のニーズを理解する等、デザインする商品に求められる条件の確認作業を行った。

プロジェクトの内容説明会

参加学生を交えて、プロジェクト内容の説明が行なわれた。学生からは、様々な踏み込んだ質問がなされ、充実した質疑応答となった。

ヒアリング&リサーチ

○製品に求められる条件などについての質疑応答
○都市部防災空間の見学(都庁展望室から)
○国立近代美術館工芸館におけるリサーチ
○巣鴨における高齢者のファッション傾向のリサーチ
(中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京株式会社 本社〈東京〉にて)

工場見学と展開の可能性の検討

反射性生地制作工場の見学と展開の可能性の検討を行った。実際に製造工程や参考商品を見せて頂きレクチャーを受ける事で、新たな可能性を探る糸口を見つけることができた。

中間プレゼンテーション

2回にわたり中間プレゼンデーションを行なった。第1回目で大まかな方向性を決め、2回目でその絞り込みを行なった。クライアントの要望を確認しながら作業を進めた。(金沢美術工芸大学にて)

オリジナル生地発注と試作

2回のプレゼンデーションで来たデザイン案をまとめ、反射材の必要箇所・メーター数を確認。データを作り、特殊生地工場へオリジナル生地を発注。最終プレゼンテーション用に試作品の制作を行った。

最終検討会(最終プレゼンテーション)

試作モデルを用いデザイン提案。新しい発想や、オリジナルテキスタイルによる意外な効果等もあり、活発に意見交換が行なわれる等、活気ある検討会となった。最終的に3案について実物を制作、検討と評価を行った。

1.反射材ドット型案
反射材を小さなピースで、ベストの全体にちりばめた形態。ピースの配置によっては、様々なグラフィックに展開が可能。顔の形に配置することで、運転者が反射的に回避する習性に期待できる。収納時は巾着型になり、持ち運ぶ際の見え方に対し細かく配慮されたものとなった。

2.反射材ライン型案
女性も気軽に着用できる形態を追求したもの。反射材をフードやポケットなどの縁辺部に限定して使用することで、夜間の見え方が特徴的なものとなった。収納時の留め具を兼ねた大きなボタンとフードが形態を印象的なものとしている。また、フードは災害時に使用することを想定し、防寒の機能も目的としている。

3.反射材面型案
帷子のグラフィックをあしらった反射材を面的に取り入れた形態。既製品の利点を取り入れ、反射材を使用してリデザインしたもの。立体裁断することで、スポーティな印象を与える。日本人が中心となり使用することを想定し、使用しやすい黒色と、明るい白系のものを提案する。

委託者 中日本ハイウエイ・エンジニアリング東京株式会社
研究体制 プロジェクト型
担当教員 デザイン科 環境デザイン専攻 鍔 隆弘 教授
デザイン科 ファッションコース 村山祐子 准教授
参加学生 デザイン科 製品デザイン専攻 村山
大学院 デザイン科 ファッションコース2年:大戸千尋、森岡まりの、山下健人
大学院 デザイン科 ファッションコース1年:黒田 茜、宮本 緑

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