学生生活最後の作品になるので、好きな話を製作したいというのが前提でした。人が植物になる。その案を出した時に、その中でどう人間が動くのかを考えながらこの話を作りました。背景や現実的に起こっている題材は大きくても、自分に降りかかってくるものなんて僅かなもの。全てを現そうとするのではなくて、登場人物の一人の視点を二つ設けることで非常に狭い情報量に制限し、その中でしか見えてこないものを表現するだけで充分じゃないかなと。今よりもさらに人と人との関係が希薄になった未来。その中で、世間と繋がっていながらも常に不安を抱いている男と、世間と繋がっていないのに満たされた女。人はどう折り合いをつけて生きていくのか。現実と妄想に逃避しながら、そんなものに惹かれて、構成しました。
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