卒展特集2010




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田中 舞

◯°C

田中 舞 / 政策・メディア研究科 / 山中俊治研究室


 これは動く昆虫標本です。
 標本は主に分類学や形態学で観察や解剖のために用いられますが、装飾品としての役割も古くから持ち合わせていました。蝶の羽の色や毛羽立ちは再現不可能な彫刻のように繊細で見事です。しかし、どのような役割であれ、標本の本質は死体です。
 表面的には生きたままの姿を保っているからか、或いはもう既に当たり前の存在だからか、わたしたちは死の恐怖を感じることなく標本を眺めます。つまり昆虫標本における、あるひとつの生物の「死」は、それぞれの人の目的に沿った結果の副産物でしかありません。
 動く昆虫標本と生きた昆虫の差とはなんでしょうか。生と死の境目とは一体どこにあるのでしょうか。
協力:姉崎祐樹(Intuino制作者|政策・メディア研究科 / 脇田 玲研究室)、妹尾優香里(山中俊治研究室 / 環境情報学部)、鈴木秀佳(山中俊治研究室 / 環境情報学部)




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