卒展レポート

東京造形大学

2017年度 東京造形大学 ZOKEI展

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森へ

久光 菜津美
写真

「確かに見たことがある、でも何かが違う。」
そんな感覚がいつもあった。

人々の生活圏に極めて近いその森は、短い時間の経過で幾度となく姿かたちを変えてきた。
それはめまぐるしい都市の中ではあまりにささやかなものであったが、太陽を雲が遮り、風が木々を靡かせ、毎秒毎に確かに変化を生んでいたのだった。

私は大学生活の中でそこに何度も足を運んだ。
きっといざなわれ続けていたのだろう。
その繰り返される行為は無意識にその森の小さな揺らぎと変わらない何かを見つめていた。
そして自分自身の中にも森への視点に変化が存在した。

私が観てきたその姿は森の全てであり、長い時間の中のほんの一部の光景だった。

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