卒展レポート

岡山県立大学

岡山県立大学デザイン学部デザイン学研究科 卒業・修了制作展2017

  • 栖みつく
  • 栖みつく
  • 栖みつく

栖みつく

坂本佳子
デザイン学部デザイン工学科建築・都市デザイン領域

卒業研究では、生物における有機的架構原理について研究した。有機的生物には新しい建築空間をつくり出す手がかりがあると考え、多くの生物を観察し架構原理を取り出した。その結果、生態系と都市には結びつきがあると考えた。

設計では、研究の中で導いた放散虫の架構原理を京都の町に埋めこむことで、新しい町の空間をつくり出すことを提案した。敷地の京都中心街は街路沿いの固いビル路地奥の木造建築物で構成されている。この仕組みは放散虫がもつ、固い外皮と柔らかな内部の関係と類似していることに着目した。
放散虫から導き出した三又構造の架構原理をもつ12個の建築用途として、ポケットパークや回遊路、カフェや図書館など、人が一息つける空間を提案している。ビルの隙間から覗く12個の有機的な建築は、視覚的にも体感的にも非日常空間を生み出す。それと同時に、所狭しと並ぶ街並みを壊すことなくスペースを生み、多種多様な人々の新たな居場所が生まれる。

京都の町が時代の変化に順応し、より生活しやすい場であり続けることを最大の目的とし、京都の人と人・人と町を紡ぐ「栖みつく」建築を提案する。

作品一覧