岡山県立大学
岡山県立大学デザイン学部デザイン学研究科 卒業・修了制作展2017
身体的負担を軽減する松葉杖
- 原田安祐実
- デザイン学部デザイン工学科製品・情報デザイン領域
これは身体への負担を少なくする為の脇下が可動する松葉杖である。
実際松葉杖を使用している方や岡山大学病院、倉敷中央病院のスタッフの方にお話を伺い、松葉杖について現状調査をしたところ、多くの松葉杖利用者が痛み等「身体に負担をかけている」ことが判った。
従来の松葉杖は、形状的に脇へ体重をかけてしまう等の間違った使い方をしたり、正しい使い方をしても脇当てが食い込む・こすれる等で身体を痛める人が多い。その痛み回避の為に脇当て部分等にタオルを巻いての使用が見られるが、脇当ての厚みが増すことで力が入りにくく不安定になってしまう。
そこで、「正しい使い方を誘導する」とともに「身体への負担を少なくする」歩行補助器を目指し、研究を進めた。
この提案した可動式松葉杖は、腕、体幹側どちらもフィットした面で支えられるので力が面に分散し、従来の痛みの原因である「食い込み」や「こすれ」がない為、身体への負担を減らすことが可能となった。また従来の松葉杖よりも薄くて挟みやすく、面でしっかりと固定され、腕と松葉杖が一体化する構造なので力を込めやすい。
この可動式松葉杖を使用することで、痛み等の負担を少しでも和らげ、ストレスなく歩行できる環境を提供したい。