卒展レポート

大阪工業大学

第9回 大阪工業大学 工学部 空間デザイン学科 卒業作品展

都市の大樹 ~桂離宮を再構築した立体公園の提案~

都市の大樹 ~桂離宮を再構築した立体公園の提案~

平下 裕人
居住空間デザイン研究室

格子状街路で多くを占められた現代都市空間に慣れている私たちであるが、回遊式庭園に接し、その豊かな空間を味わった直後に現代都市に戻ると、味気なさを感じる。そこで、回遊式庭園がもつ空間のなかで、現代空間に導入できるものとして、桂離宮のシークエンスに注目した。回遊式庭園の傑作とよばれる桂離宮から、歩くための建築を再構築する。

桂離宮からシークエンスを抽出する方法として、木内俊彦氏が述べた空間論(2013)のうちの10種のデザインパターンを活用する。パターンごとにそれぞれ空間をつくり、それらが合わさった空間集合体は、個々の空間を順番にたどってゆくことによって全体像が把握される。二重螺旋のように登りと降りで別の路地を歩き、出発した場所に回帰するこの建築は立体的な回遊式庭園である。

(清水泰博賞/建築部門賞)

作品一覧