大阪工業大学
第9回 大阪工業大学 工学部 空間デザイン学科 卒業作品展
冷蔵庫の映画祭 複数の視点から冷蔵庫を描く
- 比嘉 瞳
- プロダクトデザイン研究室2
2016年の夏。タイの山奥で女の子がポリ袋に入った新鮮な豚の肉塊を持って目の前を通り過ぎそのまま冷蔵庫に入れた。この時、見慣れていたはずの冷蔵庫が初めて全く違うものに見え、強い眩暈のような衝撃を受けた。家電製品は日々の生活に密着した存在であり、外観や用途は同じでも、使われる背景や文脈によってがらりと異なる姿を見せる。家電製品を「もの」でなく「こと」という視点をもって映像で家電製品を可視化しようと試みた。そこで映画祭(仮想)というコンテンツを利用し、家電製品の映像作品の集積を図る。冷蔵庫の持つ文化や環境という「こと」の面は使用者ごとに違う。子どもの目線での冷蔵庫、冷蔵庫から見た食材、冷気の流れについて、冷蔵庫をめぐる生活音。言葉だけでは伝えられない私の中にある冷蔵庫を作品にした。