大阪工業大学
第9回 大阪工業大学 工学部 空間デザイン学科 卒業作品展
自作小説のブックデザイン -装丁・装画・レイアウト-
- 盛田 貴之
- ヴィジュアルデザイン研究室
私は、自分で書いた中高生向けのファンタジー小説『僕が奪ってあいつが返す』の装丁、装画、レイアウトを卒業制作とした。活字離れと言われる若年層には、漫画だけでなく小説にも興味を持って読んで欲しいと思い工夫した。そこで3種類のブックデザインを提案する。
①販売されている単行本をベースにした「標準版」
②それに7枚の挿絵を挟み込んだ「挿絵版」
③元の小説を簡約化し23枚の絵の中に収めた「絵本版」
①は純粋に小説を楽しむことができ、②は7枚の挿絵が、活字を苦手な読者をフォローしてくれる。③は活字に全く興味がない人でも、簡易な文章とわかりやすい絵により楽しむことができるのだ。
挿画はファンタジーを意識し、色使いを現実とは異なる表現に工夫した。想像力を膨らませるために人物の表情なども描かないようにした。物語が中盤になると、死や主人公の欲望を表現する場面が増えてくるが、切なさを残し、明るい色を入れるよう心掛けた。